訪問看護とは何か
訪問看護とは、病気や障がいを持つ方が住み慣れた自宅で療養生活を続けられるよう、看護師などの医療専門職が自宅を訪問して提供する看護サービスです。
病院や施設への入院・入居ではなく、「家にいながら医療・看護を受けられる」という点が最大の特徴であり、近年の在宅医療の普及とともに需要が急速に高まっています。
訪問看護で受けられるサービスの内容
訪問看護では、以下のようなサービスが提供されます。
- 体調管理・バイタルサインの測定:血圧・体温・脈拍・呼吸の確認
- 療養上のケア:清拭・入浴介助・口腔ケアなど
- 医療処置:点滴管理・褥瘡(床ずれ)の処置・カテーテル管理など
- リハビリテーション:日常生活動作の維持・改善
- 薬の管理・服薬指導
- 精神的なサポート:患者本人・家族への相談対応
- 緊急時の対応:24時間対応体制(ステーションによる)
訪問看護を行うのは誰か
訪問看護を行う専門職は多岐にわたります。
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 看護師・准看護師 | 医療処置・体調管理・療養指導 |
| 保健師 | 健康管理・地域との連携 |
| 助産師 | 産前産後のケア |
| 理学療法士(PT) | 身体機能のリハビリ |
| 作業療法士(OT) | 日常生活動作のリハビリ |
| 言語聴覚士(ST) | 嚥下・コミュニケーション訓練 |
訪問看護ステーションとは
訪問看護を提供する事業所を「訪問看護ステーション」といいます。全国に約1万5千か所以上あり、病院・診療所附属の訪問看護部門とは区別されます。
訪問看護ステーションの特徴
訪問看護ステーションには以下の特徴があります。
24時間対応
多くのステーションでは、夜間・休日でも緊急時に対応できる体制を整えています。「24時間対応体制加算」を算定しているステーションでは、深夜の体調悪化にも電話相談・緊急訪問が可能です。
多職種連携
医師・ケアマネジャー・薬剤師・訪問介護員など、さまざまな職種と連携して利用者を支援します。
地域密着型のサービス
各ステーションは担当エリアを持ち、利用者の生活環境に合わせた個別対応ができます。
訪問看護の利用対象者
どのような人が訪問看護を利用できるか
訪問看護は、以下の方が利用できます。
- 難病・がん・慢性疾患などを抱えている方
- 術後の在宅療養が必要な方
- 認知症や精神疾患のある方
- 障がいのある方(小児を含む)
- 終末期(看取り)の方
年齢制限はなく、乳幼児から高齢者まで利用可能です。また、医療的ケアが必要な子ども(医療的ケア児)への支援も訪問看護の重要な役割の一つです。
主治医の指示が必要
訪問看護を利用するには、主治医(かかりつけ医)が発行する「訪問看護指示書」が必要です。指示書には利用目的・処置内容・注意事項などが記載されており、看護師はその指示のもとでケアを行います。
訪問看護の利用方法・手順
Step 1:主治医への相談
まず、かかりつけの医師に「訪問看護を利用したい」と相談します。医師が在宅療養に適していると判断すれば、訪問看護指示書を発行してもらえます。
Step 2:ケアマネジャーへの相談(介護保険の場合)
介護保険で訪問看護を利用する場合は、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に相談します。ケアマネジャーがケアプランに訪問看護を組み込んでくれます。
まだ介護保険の認定を受けていない場合は、市区町村の窓口で要介護認定の申請を行う必要があります。
Step 3:訪問看護ステーションの選択・契約
ケアマネジャーや医師の紹介、または自分でインターネット・電話帳などで訪問看護ステーションを探します。気になるステーションに連絡して、サービス内容・対応エリア・費用などを確認しましょう。
契約時には重要事項説明書の説明を受け、内容に同意した後に契約を結びます。
Step 4:訪問看護の開始
契約後、担当看護師が自宅を訪問してアセスメント(状態の評価)を行い、個別の看護計画を立てます。その後、定期的な訪問が始まります。
訪問看護の費用(自己負担額)
介護保険と医療保険のどちらが適用されるか
訪問看護は、利用者の状況によって介護保険または医療保険が適用されます。
| 保険の種類 | 主な対象 |
|---|---|
| 介護保険 | 要介護・要支援認定を受けた65歳以上の方(一部40〜64歳も対象) |
| 医療保険 | 介護保険の対象外の方・特定の疾患(がん末期、難病等)の方 |
原則として、介護保険の認定を受けている場合は介護保険が優先されますが、がん末期・特定疾患・精神科訪問看護などは医療保険が適用されます。
自己負担の目安
介護保険の場合
- 1割〜3割負担(所得に応じて異なる)
- 1回の訪問(30〜60分)あたり約300〜900円程度
医療保険の場合
- 1割〜3割負担
- 週3日までは基本療養費として算定(1日あたり約5,500〜9,000円 × 自己負担割合)
低所得者向けの費用軽減制度もありますので、費用が心配な方はステーションや市区町村窓口に相談してください。
まとめ
訪問看護は、病気や障がいを持つ方が住み慣れた自宅で安心して療養生活を続けるための重要なサービスです。
- 看護師などの専門職が自宅を訪問して医療・看護を提供する
- 訪問看護ステーションが主な提供主体
- 年齢を問わず、主治医の指示があれば利用可能
- 介護保険または医療保険が適用される
- 利用開始はケアマネジャーや主治医への相談から
在宅療養を検討している方、またはご家族の療養を支えたい方は、まずはかかりつけ医やケアマネジャーに相談してみてください。HOKAN STATIONでは、訪問看護に関するさまざまな情報を発信しています。ぜひ他の記事もご覧ください。